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CVIC臨床検査技師のしごと

1. 心エコー検査

心エコー検査

心臓の動いている様子を画像に映し出して異常の有無を調べます
心臓超音波検査(心エコー)とは、人の耳には聞こえないほどの高周波数の超音波を心臓に発信して、返ってくるエコー(反射波)を受診し、心臓の様子を画像に映し出して診断する検査です。

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妊婦や乳幼児でも安心

超音波は、臓器や組織にあたると歪が生じるので、心臓からエコーを受信して画像に映し出し心臓の動きを観察します。X線撮影やRI検査のように放射線による被曝の心配がありませんので、妊婦や乳幼児でも安心して受けることができます。

心臓超音波検査で何がわかるのか?

この検査を行なう目的は二つあり、一つは心臓の形の異常を発見する形態的診断、もう一つは心臓の働きを見る機能的診断です。特に、心臓は常に拍動していますが、その動いている状態をそのまま観察できる、とても有用な検査です。心室や心房の大きさや壁の厚さ、壁の動き、弁の形態や動きなどがわかります。カラードップラー法を行なうと、心臓の中の血液の流れを映し出すことができ、弁の異常や壁に穴があいているかどうかなどの異常を発見できます。PW法、CW法などの方法で、心臓の圧も推定できます。

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心臓超音波検査はどのような検査か?

一般的な心臓超音波検査は、胸部を露出してベッドに仰向けになって寝ている状態で、プローブと呼ばれる超音波発信機(写真参照)を肋骨の隙間に沿うようにあてて行なわれます。


プローブと皮膚の間には隙間が開かないように、ゼリー剤を塗ってピッタリと密着させます。プローブは超音波画像モニターに繋がっており、その場で医師が画像を見て診断します。同時に心電図もとりますので、前胸部や手首と足首に電極をとりつけます。検査にかかる時間は20~30分ほどです。

検査結果の判定

心房や心室の大きさ、壁の暑さや動きなどから、心肥大、心拡大、心筋梗塞とその範囲などが診断できます。弁の形や動きから、心臓弁膜症とその程度を判定します。
カラードップラー法で心臓の中の血流がわかれば、弁膜症によってどの程度逆流が起こっているかや、心房中隔欠損症のような先天性の心臓病の診断に役立ちます。PW法やCW法を行なえば心臓内の圧力を推測することができ、左室拡張期圧上昇や廃校血圧の診断材料になります。

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2. 頚動脈エコー検査

頸動脈エコー検査

頚動脈エコーは、頚動脈の動脈硬化の程度を診断できる簡便な方法です。また、頚動脈だけではなく、全身の動脈硬化の程度を評価する指標として、幅広く応用されています。血管壁に存在する動脈硬化性プラークを検出します。

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頚動脈の動脈硬化

頚動脈の動脈硬化は、脳梗塞の原因の3分の1程度を占めると言われており、早期に頚動脈の動脈硬化を検出し、予防策を講じることで、将来の脳梗塞予防効果が期待できます。

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3. 心電図検査・ホルター心電図検査

心電図検査

心電図は、心臓病が疑われる際、最も頻繁に使われている検査方法です。安価であることと身体に負担が全く無いことから、古くから心臓病の検査として広く行われています。具体的には、心臓の電気的な活動の様子をグラフの形にして記録し、心疾患の診断と治療に役立てるものです。様々な心疾患で、かすかな電気の変化が心臓の中で起こります。その電気的な変化を、症状が出現する前に捉えることが可能です(図4)。

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心電図検査の種類

一般的な心電図は、四肢に肢誘導4本と、胸部につける胸部誘導6本の電極をつけて、12誘導心電図を記録します。心電図検査には大きく分けて、1)安静時心電図、、2)24時間ホルター心電図、3)運動負荷心電図があります。CVIC大井町及びCVIC飯田橋で実施可能なのは、1)安静時心電図、2)24時間ホルター心電図になります。

安静時心電図(図5)

健康診断など一般的な検査に用います。不整脈や心筋梗塞などの病気を検出する事が可能です。非常に重要な検査ですが、安静時心電図で検出できる病気には限界があるので注意が必要です。
例えば、不整脈はそれが出ている時にしか検出できません。安静時心電図は、通常は数秒しか記録しませんので、その短い時間の中で不整脈が出ていなければ検出することが出来ません。狭心症も同様で、症状のある時に検査しなければ、検出する事は不可能です。心筋梗塞は、狭心症よりも一歩進行した病気で、安静時心電図でも可能な場合が多いです。突然発症する急性心筋梗塞や心筋梗塞に移行する可能性のある重症な狭心症である不安定狭心症などは安静時心電図でも診断可能な場合が多いです。また、心臓肥大、特に左室肥大も心電図で診断可能です。つまり、安静時心電図で異常があれば更なる検査が必要ですが、異常が無いからといって病気が無いということにはなりません。

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ホルター心電図(24時間心電図)

不整脈や胸痛などをくわしく調べるため、ホルター心電図という小型心電計を24時間携帯して心電図を記録するために使います。機器の進歩とともに、現在ではクレジットカードほどの大きさまで小さくなっています(図7)。

心臓の拍動の数(心拍)は、平均的な成人で1日に約10万回の心拍といわれています。ホルター心電図は、10万回の心拍を全て記録して、以下の内容を検討するのに用います。


  • 不整脈の数:全体の何%なのかを知ることが出来ます。後述する不整脈の種類や症状との一致によりますが、一般的に10%以下であれば許容範囲と考えられています。

  • 不整脈の種類:心臓の上の部屋である心房から出ている上室性不整脈、下の部屋である心室から出ている心室性不整脈を鑑別することが可能です。また、脈が速くなる頻脈性不整脈であるのか、逆に遅くなる徐脈性不整脈なのかを鑑別することが可能です。不整脈の種類により治療方針が違ってきますので、どのような不整脈であるのかを検査する事は重要です。

  • 不整脈の危険度:不整脈が生命に危険な重症不整脈であるのかを推測することが可能です。危険な不整脈は心臓突然死に繋がりますので、迅速な治療が必要になります。

  • 不整脈と症状の一致:ホルター心電図検査には、症状が出た時にボタンを押す設定になっている場合が多いです。ボタンの押されている(症状の出ている)付近の心電図を詳細に検討することで、症状に実際に関連しているのはどのような不整脈なのかを検討することが可能です。

  • 心筋虚血の有無:ホルター心電図検査中に心筋虚血が生じているのかを検討することが可能です。狭心症は、胸痛が出ている時に心電図検査しなければ正確に診断することが出来ません。その点で、ホルター心電図検査は狭心症を捉えるのに有用な検査です。特に安静時狭心症の代表である、冠動脈の痙攣(スパズム:攣縮)により起こる冠攣縮性狭心症の診断には非常に有用です。また、特に糖尿病などで無症候性心筋虚血(無症状の狭心症)が生じることがあります。その場合でも、ホルター心電図検査で24時間モニタリングすれば、心筋虚血が生じている状態を検出することが可能です。

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4.    ABI/脈波伝播速度 検査

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ABI/脈波伝播速度

四肢の血圧を同時に測定することで、動脈硬化の程度を数値化します。
ABI検査とPWV検査は、手と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。この検査を行うことにより動脈硬化(血管の老化など)の程度や早期血管障害を検出することができます。
 
ABI検査で何がわかるのか?
ABI検査(足関節上腕血圧比)は、足首と上腕の血圧を測定し、その比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)を計算したものです。動脈の内膜にコレステロールを主成分とする脂質が沈着して内膜が厚くなり、粥状硬化ができて血管の内腔が狭くなる「アテローム動脈硬化」の進行程度、血管の狭窄や閉塞などが推定できます。
動脈硬化が進んでいない場合、横になった状態で両腕と両足の血圧を測ると足首のほうがやや高い値を示します。しかし、動脈に狭窄や閉塞があるとその部分の血圧は低下します。こういった動脈の狭窄や閉塞は主に下肢の動脈に起きることが多いため、上腕と足首の血圧の比によって狭窄や閉塞の程度がわかります。CAVI(心臓足首血管指数)との同時測定により、大体の血管年齢がわかります。


PWV検査で何がわかるのか?
PWV検査(脈波伝播速度)は、心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のことです。動脈壁が厚くなったり、硬くなったりすると、動脈壁の弾力性がなくなり、脈波が伝わる速度が速くなります。
腕と足の4箇所のセンサー間の距離と脈波の到達所要時間を計測し、計算式(両センサーの距離÷脈波の到達所要時間)にあてはめて得られた数値が高いほど動脈硬化が進行していることを意味します。


ABI・PWV検査はどのように行うのか?
ベッドの上で仰向けになり、両側の腕と足首に、血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着します。ABIとPWVを同時に測定し、その結果をコンピューターによって数値化します。所要時間は5分程度です。


検査結果の見方
ABIの測定値が0.9以下の場合は、症状の有無にかかわらず動脈硬化が疑われます。
下肢の比較的太い動脈が慢性的に閉塞し、足が冷たく感じたり、歩くとお尻や太腿の外側などが痛む「閉塞性動脈硬化症(ASO)」が進行すると、足先が壊死してしまうこともあります。下肢血管エコー検査などを行って、動脈壁の状態をさらに詳しく調べる必要があります。
年齢によってもやや異なりますが、PWVの測定値が13.5以上の場合は、動脈硬化が進行しており、くも膜下出血や、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの病気にかかりやすくなっていますので、高血圧の人は積極的な治療が必要となります。

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5.    血液検査

血液検査は、バイオマーカーとも呼ばれ、心筋梗塞や心筋炎の診断、心不全の診断、動脈硬化の診断で重要な位置を占めています。白血球数、CPK(クレアチンフォスフォキナーゼ)、コレステロール値、血糖値、CRPなども昔から使用されている重要なバイオマーカーです。特に、最近になり頻用される代表的なもので、トロポニンとBNPという検査があります。

​トロポニン

心筋梗塞では心臓の筋肉(心筋)が壊死して行きます。心筋細胞が壊れると心筋逸脱酵素と呼ばれる酵素が血液中に流れ出ます。いくつかの種類の酵素がありますが、最近ではトロポニンという酵素を高感度に測定できる高感度トロポニン検査が心筋梗塞の迅速診断に非常に幅広く使用されています(図2)。心筋梗塞の大きさにより、発症後2-3日から5-6日間高値を示します。様々な報告で感度、特異度はともに90-95%程度で非常に精度高く心筋梗塞を診断可能です。

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BNP

脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain natriuretic peptide)の略で、主に心臓の心室という部分から分泌されるホルモンで す。歴史的には1988年に日本の研究グループが豚の脳から発見したためBrainのBをとり脳性ナトリウムペプチドと言われていましたが、その後、主に心臓から分泌することがわかりましたが、そのままBNPと呼ばれています。

BNPは正常な状態でもわずかに 分泌していますが、心不全などの心臓に負担がかかった状態になると著しく分泌が亢進し血中濃度が上昇します。現在BNPは心疾患の状態、特に心不全の状態を調べる血液マーカーとして、循環器の日常診療においてなくてはならない存在になっています。

日本でも人間ドック受診者1,098人を対象にした報告では、早期心不全を検出する感度は90%、特異度は96%と高い診断能を認めたとされています。心電図のみの特異度が74%であることを考えると、疾患を正確に診断する能力は非常に高いと考えられます。


血中BNP測定には、BNPとNT-proBNP(ヒト脳性ナトリウム利尿 ペプチド前駆体N端フラグメント)の2種類があります。心臓から前駆物質 であるpro-BNPが産生され、その後BNPとNT-proBNPに分解されて血液に放出されます(図3)。NT-proBNPの方は安定性が高いと報告されていますが、両者の臨床的意義には大きな相違はありません。

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